長らく清掃していない貯湯槽の中は衛生的なのだろうか?槽内の細菌類の状況を検査してほしい。
貯湯槽内のふき取り検査、レジオネラ属菌検査を行い、槽内の清掃を実施しました。
事例詳細
状況
今まで貯水槽は清掃していたが、貯湯槽は清掃していなかった。
熱湯で密閉容器なので菌類など発生しないと思うが確認してほしい。
作業内容
清掃前に貯湯槽内部で拭き取り検査を行い、水槽清掃専用薬品とスポンジにて
槽内の清掃を実施しました。後日検査結果が判明したら、レジオネラ属菌が検出していた。
解決のポイント
定期的な貯湯槽の清掃は必要です!
貯湯槽内は高温で外気を触れない為、汚れていないと思いがちです。しかし槽内に入ってみると水アカが付着しており、汚れていることが分かります。
レジオネラ属菌は60℃以上で死滅しますが・・・
レジオネラ属菌は60℃以上で死滅すると言われていますが、場合によっては水温を60℃に維持していてもレジオネラ属菌が表面のバイオフィルム(生物膜、菌類の集まり)の中に潜んでおり、死滅しにくい環境になることも。

貯湯槽

貯湯槽内部の汚れ
温度を維持できないとレジオネラ属菌が繁殖する為、定期清掃が推奨されます。
⇒年1回の清掃義務がある地域もあります(地域により指導レベルは異なる)

貯湯槽内のふき取り試験

貯湯槽内にレジオネラ属菌が繁殖しているケースも
【参考】
- レジオネラ症を予防するために必要な措置に関する技術上の指針
「貯湯槽は、湯温を六十度以上に保つなど貯湯槽内でレジオネラ属菌が繁殖しないようにすること。また、定期的に貯湯槽内の生物膜の除去を行うための清掃及び消毒を行うこと」
- 大阪府旅館業法施工条例
「貯湯槽を設ける場合にあっては、貯湯槽内の湯の温度を常にセ氏 60℃以上に保つとともに、定期的に清掃し、及び消毒すること」
- 建築物衛生法
「給湯水についても飲料水と同様の衛生的な維持管理が必要」